僕の脳裏と電子日記

文章にしたくなった事を残す場として此処を設けました。

flyby

二十三時五十五分 深夜高速
距離が遠くなる 遠くなる
映画みたいだった 2月が終わる
ハサミで切られた フィル厶みたいに
あの日思い描いたはずの 3月が始まる
何も信じられないよ 信じられないよ

 

先輩の言葉 思い出した
「永遠に縋るのは子供だけだ」
このままずっと このままずっと
終わらなければ良いと思ってた
僕は大人にならなきゃいけないのか

 

19時間と激情 鳴り止まないノイズミュージック
デスソース ロボトミー 吐息 鳴いた蛍と濡れた傘
水飴みたいな群青が 街にこびりついていた
それを舐めて甘えていた 幻想に縋っていた
心を預け合った事が 幸せだったんじゃない
そこから過ごした時間と そこから見える風景
ノンタイトルは消えた ファインダー越しの世界も
消えた 消えた 消えた

 

近づいては離れてく 探査衛星のように
近づいては離れてく 街灯のように
永遠なんてない もう何も怖くない
だけどまだ終わらせたくはない

 

あの日思い描いたはずの 3月を始めよう
ただ笑い合いながら 電車に揺られよう
あの周回軌道上を 流れる星を
一晩でいいから眺めようよ
永遠なんてない もう何も怖くない
僕は辛うじて一人でも立てる
笑い合ってたい 笑い会ってたい
それしかもう望まない

 

二十四時少し過ぎ 深夜高速
エンドロールが 聞こえてくる
映画じゃなかった これは現実だ
僕は大人になりきれなかった